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(1)特徴 
当農協の主要生産物である生乳(牛乳)の2024年度の生産量は約16万トンで、北海道全体の約3.9%のシェアを誇ります。釧路・根室地方の中では、トップクラスの生産量を誇ります。合わせて、大根の販売額は10億円以上あり、これも全国トップクラスを誇っています。
 
(2)強み
 酪農業の経営形態は、搾乳ロボットやミルキングパーラー等の機械化、法人化した中で労働者を多数雇用している大規模経営や、大きな投資をせず、放牧主体で行っている家族経営など多種多様ですが、当農協のスタンスとしては、個々の経営の実態に合った経営スタイルを選択してもらい、サポート体制や助成内容を柔軟に対応しているのが強みと言えます。
 他の農協と比較して、営農指導事業(農家の経営相談)の部署に多くの人材を配置して、農家経営のサポートを図っているのも特徴的です。国等の各種補助事業事務も多く担っており、農家経営の安定化に大きく寄与しています。
 また、平成25年11月には、地域コミュニティの維持と新規就農を目指す方々の研修牧場としての位置付けとして、㈱TACSしべちゃを創設しました。行政(標茶町)、民間(㈱雪印種苗)、JAの3者が共同出資して立ち上げた牧場は、設立当時、全国的にも珍しく、多くの視察者や研修希望者を受け入れてきています。その結果、多くの方々が酪農家として巣立ち、町内外で新規就農者として活躍されています。

(3)制度、風土
 人材採用においては、中途採用・転職組も積極的に採用しています。これにより、正職員の約36%が中途・転職組で占められています。正職員のうち女性職員が約34%を占めているのも特徴的です。
 JAしべちゃの基本理念に、「職員に選ばれるJAしべちゃ」というフレーズが入っていることもあり、福利厚生の充実にも力を入れています。直近では、資料室を改装し、職員の休憩スペースの確保、食事の補助制度(OFFICE DE YASAI:冷蔵、冷凍食品の常備)の導入、休憩時間等に利用できる卓球台の設置等を行いました。この話を地元の高校生に企業説明会で話をしたところ、職員を大事にしている、こんな企業で働きたいなどの嬉しい声を頂きました。
 職員教育に関しては、当然ながら予算策定からスタートしますが、必ずしも予算ありきではなく、組織内で噴出している課題に迅速に対応すべく柔軟な予算確保を心掛けています。他の農協の人事担当者からは、非常に羨ましいと言われることもあります。
 最近の当農協は、他の農協と比較して、「より個性が出せる」「率直な意見が言える」など、風通しの良い風土になってきました。
 合わせて、職員の発想、企画提案を認める組織になっていると思います。また、ひとつのテーマや課題に向かっていこうというチームワークもあります。

 特に都市圏の民間企業と違って、地元出身者が多い地方の農協では、転勤が無いこともあり、外部的な刺激が少なく、慣れあいの風土が根づく要因になってきました。「現状維持は退化に等しい」をベースにして、前例踏襲の打破、考える力を身につけてほしいと考えています。
 考えること、問題解決できる職員が多くなるように、これからも人材育成に尽力していきたいと思っています。

 組織としての理念がしっかりとしていて、経営層と職員のベクトルが同じ方向に向いていれば、組織の団結力はより強固になり、そのためには、職員自らが考えて行動することが必要ではないかと考えていました。
 正直なところ、研修実施前は組織の団結力に関しては誇れる状況でもなかったことから、2020年に職員研修の新しい企画(田中講師の登壇)を考え、企画立案をしました。
 研修の事務局も担い、陰ながら職員の背中を押し続けることに力を入れてきました。
 研修スタート前の2020年1月には、鈴木組合長と私が標茶町から神奈川県川崎市まで出向き、田中講師と打ち合わせを行い、現状説明と今後の方向性について協議・共有化を図りました。この打合せにより、鈴木組合長も職員教育の重要性に関して、真剣に考えていることを感じ、事務局として、非常に勇気を貰ったことを覚えています。
 田中講師の講義は、他の一般的な研修に比べて上手く表現できないほど刺激的です。1回の受講でかなりインパクトを得ますし、感の良い人には十分な効果が得られると思いますが、より効果を求めるのであれば、複数回繰り返して受講することをお薦めします。
 遠慮無しに受講生にはズバズバと指摘してもらうことは、本人たちにとってハッとさせらることであり、長く記憶にとどまることから、日々の業務中においても良い影響を与えています。職員間では中々言い辛い厳しい投げかけをしていただけることは大変ありがたいことです。
 当農協が行ってきた研修は、階層別単位で数ヶ月に渡り実施するスタイルで、個人およびグループで課題解決策を仕上げていきます。深く仕事の課題点やその改善策を考える時間は非常に貴重な経験となります。
 合わせて、グループ研究により、他部門とのつながりが強化され、団結力も強くなっています。ハードな研修ですが、その反面、ハイリターンな結果が出ています。。

 標茶町農業協同組合・代表理事組合長の鈴木重充(写真左)さんは、農協を引っ張る、若きリーダーです。職員の目線でも物事を考えることのできることから、農協内での人望があります。
 研修にも積極的にオブザーバー参加していただき、示唆に富んだコメントをいただいております。職員教育に造詣が深く、情熱をもって行動する人です。
 管理課課長・村上史隆(写真右)さんは、管理課の経験が豊富で、仕事のできるプロフェッショナルです。
地元出身者ではない強みを活かして、内向きではなく、外側発想のスキルに長けているリーダーです。とくに、組織内での仕掛け、横断的なプロジェクトの運営等、周囲を巻き込むことを得意とされています。